iPadはiPhoneがでかくなっただけ過ぎない:単純な変更が大きなイノベーションをもたらす
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51365156.html で池田さんが指摘しているように、確かに大きくしただけだと思うが、確かにiPadはiPhoneをでかくしただけに見える。
でかくしただけに見えるのだがその単純に大きくした、ということがもたらすイノベーションに愕然としている。
iPad発表時のプレゼンのビデオを見ていた(少しだけ見るつもりが全部見てしまった)が、
Apple - QuickTime - Apple Special Event January 2010
これは世界を変える素晴らしい製品だろう。
価格
10万円だったら「ふーん」という感じでまぁそんなもんかな、と静観もしくは悩んだ人もいたと思うが(私も)、なんと499ドル!日本でも5万円ぐらいだろう。
価格破壊も良いところで、5万円なら特に迷う必要はないのでとりあえず買うことにする。おもちゃとして5万円は格安だ。
iPhoneアプリがそのまま動く
これまで、iPhoneアプリを使っていて「もっと画面大きかったらなぁ」というアプリが幾つかあった。
例えば、産経新聞のアプリもそうだし、クーリエのアプリもそうで、電子ブック系、または紙メディアをそのまま持ってきたようなアプリにはiPhoneの解像度は不足だった。
これがiPadだと、産経新聞のアプリがかなり実際の新聞に近い読み心地になるだろうし、iPad用だったら他の新聞も読みたい、と思う。日経新聞とか各紙が読めるようになったら素敵だ。
iPadが新聞復活の契機になるかもしれない。
価格弾力性がどんなものかわからないけど、一ヶ月300円で全紙面が読めるんだったら複数の新聞を購読したい。
毎月購読している雑誌も、iPadならば電子ブック版を買うのでも良さそうだ。ただ、日本の出版業界が電子ブックに及び腰どころかレミングス状態にしか見えないので日本語の雑誌がちゃんと供給されるかどうかはよくわからない。今もマガストアなんかで供給されている雑誌はあるので、それらがiPadサイズで読めるようになるだけでもかなり嬉しい。
ユーザインタフェースが秀逸
ただでかくなっただけ、なのだけど、でかくなることがもたらすユーザインタフェース面でのメリットがかなりある。
すべての操作が「手」で出来るというのはらくらくフォンを使う世代にとって福音ではないだろうか。
日本語入力がどういう形になるのかわからないけれど、団塊世代でらくらくフォンを使うような人たち、20−30歳ぐらいの子供を持つ世代にとってもかなり使いやすい携帯−パソコンの中間に位置する手頃なガジェットとして使えるだろう。
(Itmediaの写真)
キーボードもあのサイズだったらタッチパネルでも特にストレスはなさそうだし、ダブルクリック、とか右クリック、とかマウスに拒絶反応を示す世代でも指でブラウジングが出来るのは画期的な製品だ。
フォトフレームにもなるし、ユーザインタフェースは人に優しくて使い易いし、画面も大きいし文字も大きくできるし、しかも安いので親にプレゼントしようかなと思う。
すべてがiPadに総取りされる
これは良いことなのか悪いことなのかわからないけれど、今まで単機能でやってきたガジェット、家電系の製品が軒並みiPadに喰われそう。
喰われそうなマーケットを考えてみたけれど、これは影響が大きそうだ。
- ゲーム
コアなゲーマー以外はゲーム機のハードスペックがそんなに高くなくてもよい、というのをDSが証明してしまったので、今後はiPad向けのゲームを供給するゲームメーカーが増えて行くのではないだろうか。
ソフトウェアメーカーは供給先プラットフォーム判断のむつかしさはあるけれどそんなにダメージはないだろう。
ゲームハードウェアメーカーは影響がありそう。
- ディジタルフォトフレーム
ようやくキャズムを超えた感のあったディジタルフォトフレームマーケットだけど、今出ているディジタルフォトフレームの操作性はひどいし、持ち歩けないし、Wifiで写真の追加ができないし、と不満があったのが全部iPadで解決されそう。
ただ、SDとか外部メディアが読めないのは残念だ。
使わない時にはスタンドに立てておけばそれでディジタルフォトフレームの出来上がり?なら素晴らしいなぁ。写真を見るためのユーザインタフェースもiphoneと同じみたいなので使い易いし、誰かに見せるときにも良さそう。横置きできるスタンドがあるとなお嬉しい。
- 携帯電話端末
プレゼンで明言していたけど、なんとSIM Unlockedらしい。
日本だとドコモが鎖国を好むのでどうせ使えないのだろうけれど、ひょっとしたらプリペイドSIMが販売されたりするようにあんるかもしれない。
今までキャリアにべったりでゆでガエルになった携帯電話端末メーカーも多いし、iPadに喰われるのではないだろうか。SONY EricsoonのXperiaもタイミングが悪かったな。高そうだし、Xperiaは普通のスマートフォンと変わらないだろうし、iPadを買うことにする。
- 電子ブックリーダ
iPhoneがでかくなっただけだが、でかくなったことのメリットが電子ブックリーダとしては非常に大きい。
ようやくキャズムを超えたのに、Amazonかわいそう。SONYも電子ブックリーダに力を入れる、なんて言っていたのに、涙目だろうなぁ。。
KindleもSONYの電子ブックリーダも安いんだったら競合しなかったのに、もろにぶつかる価格帯だし、勝ち目ないよね。。
ただ、日本だとコンテンツが全然無いのであまり関係の無いはなしかも。
いつまでも出版業界が鎖国政策を続けて、ユーザに不利益をもたらし続ける状況はレミングスだと思うのだが、一向にディジタル出版しようとする会社が出てこないのはどういう背景があるのだろうか。
雑誌は価格が同じでも構わないので電子ブック版を出して欲しい。新書や文庫、単行本は別に本でも良いのだけど、雑誌はそこで手に入れておかないと中古市場でも手に入らなくなったりするので電子化しておきたい。
電子ブックリーダもマーカーとか付けられたらなお最高だなぁ。
日本語だとコンテンツが無い、のはこれから先もiBookが出てきても状況が変わらなそうだけど、英語のコンテンツは豊富にあるのでそんなに不満はないな。
- ネットブック、ノートパソコン
言わずもがなだけど、もうネットブックを買う理由が無い。
ネットブックよりも高価格のマーケット、レッツノートの安価な価格帯の製品や、SONY Type Xも特に進んで買う理由はiPadの登場によって無くなった。
ネットブックは性能も悪いし、Type Xあたりになると価格が高い。
iPadならブラウジングもできるし、iWorks入れればプレゼン作ったりもそれなりに出来そう。さらに、営業で外に出たときにこれまではプロジェクタが必要だったのが、その場でiPadを使ってプレゼンが出来る。
これは素晴らしい。業務用途でもかなり需要があるのではないだろうか。
リビングのテーブルで新聞を読んで、映画を見て、寝っ転がりながらブラウジングする、という夢の生活が3月にはできる!