死ぬときは自宅で死にたい:高齢者専用賃貸住宅についてメモ

高齢者専用賃貸住宅について少しお勉強。
自分もそうだけど、親であるとか祖父母がQOLの高い生活を送るにはどうしたらよいか、これから介護が必要になったらどういう風にするのがいいのかというのをずっと悩んでいる。

病院併設の老人ホームというか病院で、歩けるのに車椅子に乗せられて毎日何時間もデイルームでテレビを観るしかない、という人生の最期の時期の過ごし方が幸せだとはとても思えないし、もっと良いやり方があったんじゃないかと思う。

高齢者専用賃貸住宅の概要だけつかめればいいや、と思っていたんだけどなんかややこしいなぁ。

イメージとしては高齢者向けのシェアハウスみたいな感じなのかな。
食堂などの共用施設があるけど、プライベートも確保されて
ケアサービスが提供されている場合もある。

高齢者専用賃貸住宅は、基本的には介護が必要になる前に入居して、「ここが自分の家である」と感じられるようになっておかないと、結局「自分の家で死にたい」という思いを満たすことができなそうなので、介護が必要になる前に話しあっておこう。

入院して痛切に感じたけれど、死ぬときは自分の家で死にたいので、死に場所をあらかじめ自分で決めてそこで死ぬまで暮らせる、というのは大切な事なんだと思う。

不思議なのは、「ここが自分の家である」という感覚はどこから出てくるものなんだろう。大切な人が暮らしている場所、というだけではない気がする。最近は実家に帰っても「自分の家である」という感じはしない。別に持ち家か賃貸かには関係ない。今は賃貸だけどここが「自分の家である」と思う。

高専賃や老人ホーム、病院みたいなところでも「自分の家である」という感覚を持たせることができれば、もっと幸せなエンディングを迎えられるんではないだろうか。

現在の介護が付いている住まいの種別

  • 特定施設
  • 認知症高齢者グループホーム

特定施設では要介護者1人につき介護職員ひとりが定められている。
そのため要介護者のみを対象としているのが大多数。
要介護者になる前にあらかじめ住み替える、という使い方はできない。

問題点

「早めの住替え」に対応できる住宅が少ないこと。
ケア付きの高齢者住宅は高齢者数の0.8%で、欧米の5%に比して低い。

契約は主に3種類のスキームがある

  • 定期借家契約
  • 普通借家契約
  • 終身借家契約

終身借家契約は、死亡するまでの契約なので一部の人が立ち退いてくれないためにスラム化するのを防ぐことができる。実際に事業として行う場合はこの契約にしないといつまでたっても老朽化した建物を建て替えられなくなりそうなのでリスクがありそう。

事業者(大家)にとってのメリット

  • 高専賃でもさらに優良賃貸住宅では建築に際して補助がある→制度が変わるかも
  • 入居者が住み続ける前提のため安定した経営ができる反面、欠員時の補填は難題
  • 特定施設として介護保険の対象とできるかも
    • 高専賃での登録+各地方公共団体の福祉部局窓口で特定施設指定を受ければ。
      • 一定の基準がある→各戸の床面積が25平米以上、食堂や浴場などの共同部分が十分な面積を有する場合は18平米以上

事業者としては介護保険対象にしたほうがいいのか?がよくわからない。いいことあるの?
家賃債務保証が使えるぐらい。→高齢者居住支援センター

読んだ本

高齢者専用賃貸住宅の手引き―安心して暮らせる住まいのために

高齢者専用賃貸住宅の手引き―安心して暮らせる住まいのために


概要をつかむには良いけれど、ちょっと細かすぎて借りようとしている場合には読みづらい。高専賃を運営もしくは投資しようとする場合にはいいかも。

高齢者の住まい事業企画の手引き―医療・介護・建築関係者のための

高齢者の住まい事業企画の手引き―医療・介護・建築関係者のための


建築事務所が書いた本で、事例が多いのとシミュレーションがたくさんあって非常に参考になる。
建築事務所でもこんなにしっかりやるところがあるのか、とオドロキ。今まで読んできた建築事務所の本って精神論というか哲学を語るやつばかりだったので、ゆう建築事務所みたいなところの本は楽しそうだな。

図面もたくさんあるし、どのように運営すべきか、という点まで踏み込んで書かれているので入居を考える場合にも事業として運営する場合にも具体的なイメージが湧く。ノウハウ的なところまでここまで書いちゃっていいの?と心配になるぐらい。