中古マンションを買うときの下調べでやったことまとめ
はじめに
長いこと橘玲の本に感化されて家は賃貸派だったのですが、子どもが産まれてからその考えを変えるようになってきて、最近はマンションを買おうとしています。 最近も橘玲氏が言及していますが、
その理由はいうまでもなく、マイホームへの欲望をかきたてないと困るひとたちがたくさんいて、彼らが賃貸物件に住みにくくさせ、「タマゴをひとつのカゴに盛る」よう国民を政策的に誘導しているからなのだ。
のですが、となると結局のところそれなりの快適さで住む場所を手に入れるためには買うしか無いと考えるようになりました。 結局、残念ながらほしい物件は高すぎて買えない気がしてきている昨今で諦め気味なのですが、また何年後かに検討することもありそうなのでまとめておきます。 間取りとかもいろいろ思うところはあるのですがまた別途まとめます。
↑晴海にあるパークハウス晴海タワーズティアロ・クロノです。この2つのマンション、最高にカッコイイです。中の設計も良いので欲しかった。。
分譲賃貸の問題点
- 区分所有者と賃借人で使えるサービスが異なる
分譲賃貸で良いのでは、というのは当然考えることで実際に分譲賃貸に住んでみたのですが、所有権を持って分譲マンションに住む場合と、所有権なしで分譲賃貸としてそのマンションに住む場合で快適さ、受けられるサービスに差があります。分譲賃貸なら建物や部屋のグレードはそれは確かに分譲グレードでそれなりに快適なのですが、ソフト面でのサービスが所有権がある居住者と差があり、大きなストレスを感じます。マンションにもよるのかもしれませんが、管理規約で賃借人と所有権を持っている居住者で区別がされているマンションは多いのではないでしょうか。例えば、マンションの駐車場は分譲賃貸の居住者よりも、所有権を持った人の希望が優先される規約があるマンションがあります。せっかく駐車場を借りれても、その後で所有権を持った居住者が駐車場の利用を希望した場合は譲らないといけない、というマンションがありました。 分譲賃貸を薦める場合、こういったソフト面での差がある点に触れられることはあまりないので実際に住んでみるまで不勉強ながら知りませんでした。分譲賃貸にすれば、購入した場合と同じ快適さを手に入れられると思っていました。
分譲賃貸での一連の頭に来る経験を経て、だめだこりゃ買おう、というのが購入派にいたった一つの動機です。
この20年、東京では賃貸よりも購入したほうが良かった
買った瞬間に二割価格が下がる、というのは東京では成立せず、買っても10年はその価値を維持し続けるマンションがレアケースではない、というのに気がつくのがおそすぎました。 のらえもんさんの著書
専門家は絶対に教えてくれない! 本当に役立つマンション購入術 (廣済堂新書)
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2016の今は高値圏にあるマンション市場ですが、バクチを打つとして単純に考えるなら
- 今後10年間に支払う家賃 vs 購入したマンション価格の今後10年間の下落幅 + 10年分の修繕積立金
を比較すればよく、10年分の家賃以上に値下がりする物件を買わないようにマンションを買おう、という気持ちに今はなっています。
では、購入するにあたりどういう点で物件を見ていくのが良いのだろう、というのを何件か見ていくうちに定型化できてきたのでまとめてみました。 不動産は素人なので、購入する観点でこういう点から見ていくといいんじゃないかな、というのをあげています。たぶん、このあたりの感覚は東京の都心周辺でしか通じなそう。
立地の確認
- 駅から徒歩何分か
- スーパーの場所
- マンション周辺の環境
- 学校・保育園などの場所、距離、道順
何冊かマンション関連の本を読んだ限りだとなんといっても「1に立地2に立地3に立地」「立地・立地・立地」らしいので、駅徒歩10分以上の物件は避けたほうが良さそう。 駅徒歩10分以上でもシャトルバスがあったりするのですが、シャトルバスもマンションによって朝しかなかったり、夜は20時台で終わったりと微妙なことがあるので結局駅に近いほうが強そうです。
いくつか見てみて、立地でいうと理想的だったのは晴海で、整備された街区と、川沿いの開放感と贅沢な敷地の使い方と都心に近い、というのが魅力的でした。ですがいかんせん駅から遠いのと、中央区は保育園事情がかなり厳しいのが玉に瑕。保育園とか通勤的に制約がないならば晴海に住みたい。 これまで晴海はあまりいい印象がなかったのですが、湾岸じゃないとああいう広大な土地の使い方はできないし、タワーマンションの高さも40階超えだったりはしないのでとても気に入っています。
都心のタワーだとパークコート浜離宮が最近だとありますが、マンション周辺の開放感は湾岸タワマンには遥かに及ばず、2倍近い価格だけど湾岸のタワマンのほうが魅力を感じます。どうせ買えませんが。
過去の成約価格とその傾向
そのマンションが、過去に中古市場でいくらで売買されたか、を調べるようにしています。 このデータは不動産屋さんに言うとたぶん大体もらえます。というか内覧時に持ってきてたり言うとすぐ出てくることもよくある。 坪単価の推移をチェックして、マンションの方角や階数によっても結構差があるので、 いくつか周辺のマンションで成約数がそれなりにある物件のデータをいくつか見てみて感覚をつかんでおくのが良さそうでした。
例えば、上のグラフはとある湾岸タワマンの過去10年分ぐらいの成約坪単価推移ですが、
- 2012あたりが底値(大震災の影響かな)
- 坪250万円あたりが最低値
- 坪300万円ぐらいなら相場
- 長期的に見て坪単価は維持されている
- 2016時点だと価格的にはダウントレンドに入ってるのでまだ下がるかも
といった定性的な感覚が得られます。 ざっくりグラフにして適当にトレンドラインを引くだけで傾向や価格幅がわかるので、内覧前にやっておくのがオススメです。
ちなみにこのグラフからも、マンションの価格が一律に下がっていくとは言えず、ほぼ10年前の価格で現在も売れてる、というのがわかります。
部屋番号がわかっているばあいは、ピンポイントで住まいサーフィンの中古時価の査定をしてみるのもオススメです。 だいたいあってるのか、今や住まいサーフィンの査定から乖離した価格での売買がむつかしいのか、あまり相場から外れてることはない印象でした。
周辺の賃料相場と利回り
計算したものはGoogle spreadsheetに一覧にしてまとめておくのがオススメです。 どこでも見れるし、どの物件がどれぐらいだったか、を忘れるので。
周辺賃料
周辺の賃料相場も、不動産屋さんに聞くと教えてくれます。 というか聞くと不動産屋さんはだいたいデータ持ってたり紙に印刷した資料がすぐに出てくる気がします。
単純に比較はできないので参考程度ではあるのですが、
- 周辺の賃料は平米単価いくらか
を確認しておくと、利回りの計算に使えます。
利回り
このあたりどういうふうに考えればよいかよくわかってないのですが、高いか安いかの判断に使っています。
- 購入価格/年間家賃収入 = 4-4.5%ぐらいが
平均的で、
- 購入価格/(年間家賃収入-管理費-修繕積立金) = 4%前後
が多いような気がします。リフォームされていたり、築10年以上経過していて修繕積立金がどかっと上がっていたりする場合は3.5%ぐらいになることがあって、 管理費と修繕積立金も合わせて計算して見るようにしています。
修繕積立金、なんで新築だと安いんですかね。。途中から値上げしないで一律にすればいいのに。 築10年ぐらいで当初の修繕積立金から2倍以上にあがっていたります。
口コミを全部読む
良し悪しはあるのだと思いますが、当該物件の下記の2サイトのレビューは全部目を通しておくと内覧時にはかどります。 割と住人板が荒れていたりして、このマンション嫌だなぁ・・・と思うこともあります。
内覧
このあたりだけをざっくり調べておけば、内覧に案内してくれる不動産屋さんともそれなりに話ができるし、その周辺に明るくない不動産屋さんだと自分のほうが詳しかったりします。
で、内覧へ行くんですが、中古物件の内覧に行ってもなにすればいいか未だによくわからないんですよね。。 行っては見たもののぼーっと部屋のなか見てへーいいなーありがとうございましたー、みたいになってしまうのですが、何を見るのが良いんだろう? 居住中物件だと部屋の状態がよくわからないし、住んでるから申し訳ない感じになってしまって落ち着いて見れません。 中古マンションだと内覧だけなので30分もかからないし、現地に行くほうが手間だったりして悩ましいです。物件の写真がもっとふんだんに高解像度で見れると良いのかも。 中古マンション内覧時にチェックするべきポイント30!みたいなのがあると良いのですが。。
ちなみに大手の売り主だと、その系列の販売会社が中古の物件を取り扱っていることが多くて、シティータワー系だと住友不動産販売に扱いが集中しているみたいです。 物件が決まっているならあとはしばらくSUUMOに出てくる物件を全部チェックして、相場と価格の変動を追ってみていい物件があれば見に行く、みたいな探し方をしています。 そのあたりの土地勘が無い物件で買おうかな、と思った物件は、内覧後に何回か散歩ついでに出かけて周辺を歩いてみたりして、土地勘をつかむようにしていました。