レビュー 遠山正道/スープで、いきます:スープストックに行きたくなった

スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る
遠山 正道
新潮社
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何年か前に、一度だけしか行ったことのなかったSoup Stock Tokyoだけど、こんなに志のある店だとは思っていなかった。

この本を読んでから、Soup Stock Tokyoに行ってみようと思っているのだけど、まだ機会がない。そもそも店舗数があまりないのと、駅の構内にあることが多いので縁がないなぁ。

この本、Soup Stock Tokyo三菱商事の社内で提案したときの企画書が載っているのだけど、その企画書がすごい。この企画書を読むためだけでもこの本を手に取る価値がある。企画書とはこういうものなのだと衝撃を受けた。

読ませる企画書だし、読んだ人がイメージができる企画書である必要があるのだな、と思う。
パワーポイントで綺麗なスライドを作ることに腐心しがちだけれど、企画書は別にパワーポイントである必要はないんだな。

付箋したところメモ

それぞれはそこそこでも、二枚をうまく併せたポジションというのは、あまり他でも見当たりません

これはとても大切なことで、突出した1つの能力じゃなくて、組み合わせたそれなりの能力が備わっていればジョブセキュリティになるということかな。
わたしだったらなんなんだろうなぁ。それなりの能力の1つもないか。。

総合体

良品計画が住宅業に参入するのを予言している。
総合的なブランドの確立が大切だと言っているけれど、Soup Stock Tokyoは成功していないような。
無印良品は成功しているよね。

ちゃんと美味しいものを食べたい、ちゃんと悦楽的でありたい。そのことと安全、安心は共存できるはず

何かと安全やら安心やらオーガニック方面の人たちは苦行傾向というか苦行に喜びを見いだす傾向があるように思うけれど、そうではないと。これは同感で、安全やら安心を目指しても食は楽しいし美味しい。というか安心やら安全な食材を選べば、それだけで美味しいので食が悦楽すなわち食楽か!

高級ブランドならぬ「恒久ブランド」

恒久ブランドになっているところは無印良品ぐらいか。他に思いつかない。
スタバもスタッフの質が落ちてブランドも失墜したし、ブランド力があってサービス・商品にも魅力があるところはアップルぐらいか?

もっと商品などへのこだわりがある、意志のある立ち食い蕎麦屋があったらいいのに

これは本当に欲しい。どうしてないんだろう?
蕎麦屋と言えばこだわった単価が2000円近いところが多いし、蕎麦屋なのに喫煙可だったりする志の低いところと両極端。

立ち食い蕎麦屋はそば粉が入っているんだかいないだかわかんないような蕎麦だしアミノ酸たっぷりの汁であれは蕎麦ではない。

800円ぐらいで、ちゃんとした蕎麦が食べられるファーストフードとしての蕎麦屋がないのはなぜなんだろう?流行ると思うんだけど。

「コックピット」感覚の居心地の良さ

家が狭くて散らかっているように見えても、イスに座って少し手を伸ばせば全てが片付くこのウサギ小屋敵快適さも、快適さのあり方の1つとしては良いのではないだろうか。
マクロに見れば、街作りだって、機能が密集しているから車がなくても暮らしていける、そういう街、暮らしの設計だっていいんじゃないかなぁ。