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第二の習慣 End in mind=目的を持ってはじめよう:あたらしい戦略の教科書/酒井譲 レビュー

書評

あたらしい戦略の教科書
酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 107
おすすめ度の平均: 4.5
4 簡単に全体像がわかる
5 戦略+インタビューノウハウ 1冊で2度オイシイ
4 戦略の教科書
5 「現場が実行できる戦略には何が必要なのか」がテーマ
5 部長以下は必読

課長の教科書の酒井譲さんの新刊です。しばらく前に読み終わっていたのですが、まとめていませんでした。戦略かぁ、とあまり気乗りしなくて発売直後には買わなかったのですが、得ることが多かった。

ひとことでまとめるならば、7つの習慣のうち第二の習慣、End in mindだろうか。

勝間和代 ビジネス思考力養成セミナーの内容とかなり重なるところがあります。
オーディオブック・コンプリートセット- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!

付箋したところまとめです。

戦略を理解するためのポイント

「現在地」、「目的地」、「戦略」の3点であるというのが基本で、何かと忘れられがちだという話で耳が痛い。まず現在地の把握もせずに目的地を決めて、おもむろに目的地に向かって出発する、ということが多いように思う。

インチキコンサルタントがよくやる、マーケティングなしのコンサルティングのようなものも現在地の確認なしに目的地と戦略を示している例になるだろうか。

ソフトウェア開発でもそうで、とりあえずソースを書き始めるのが戦略がないということだろうか。
ソフトウェア開発ならば、要求仕様が現在地、仕様書が目的地、戦略が開発計画と詳細仕様だろうか。

「我々が変わらなければならない」という点において同意できない人が、戦略プロジェクトの中心メンバーになることは、戦略には致命的

事業部が沈みかけている状況でも、危機感を持たない人が大多数だった結果、沈んだのだな、と昔のことを思い出しました。

そういう状況では危機感を持つ人たちが戦略プロジェクトの中心メンバーになることはなく、諦めて逃げ出していくタイタニックになるのでしょう。

「若者は、バンテージポイント(見晴らしの良い場所)」でキャリアを磨け」

梅田望夫氏の言葉ですが、まったくもってその通りで、その分野の最先端で仕事をすることは、視野を広げます。会社の大きさではなく、その分野の先頭集団にいることが大切だと感じています。

いつまでも、旧来のソフトウェア開発プロセスのままで、新しい技術を入れることなく工数ばかりが増大して破綻していく、そういう状況は会社にとっても従業員にとっても不幸だと思うのです。

勝間和代さんがいうように、プロセスを改善せずに労働時間を増やすことで問題を解決しようとしても、先送りにするだけで、本質的な解にはならないと思います。

「自分の会社が無くなった場合、困るのは誰で、それはなぜか」

これも非常に耳が痛い指摘ですが、これを考えたときに、「誰も困らないじゃないか・・・」となってしまいます。競合他社の製品でも十分な性能だし、価格も安価なうえにそもそも独自性がありません。独自性がないからこそ競合されるのでそちらの方が問題でしょうか。

住宅なんかもそうですね。あえてその会社で建てなければいけない、というのがないから血で血を洗う消耗戦になるのかもしれません。マンション販売もそうで、別にどこの会社でもいいや、となることが多いのかも。

その点では、建築事務所は独自性がなければ生き残れないので、あんな変な建築ばかり提案することになるのかもしれません。

古くからある戦略論は、「顧客の視点」が決定的に抜け落ちていることが多い

3C、4Cのフレームワークですね。
確かに、「競合製品にはこの機能がついているから追加しろ」といった企画部からの要求の多いことまぁ。

同僚に一方的に情報を求めるような態度も、やはり間違っている

Giveの5乗ですね。
このブログもGiveの5乗でありたいと思っていますが、どうにもGive量が足りなくてまだまだです。
まだGiveしているだけの状態です。

人は、他人にオススメするよううな製品には、自分のアイデンティティを投影します。

これはまったくもってその通りで、私自身人に何かを勧めるときには本当によいな、と思っているものしか薦めませんし、よっぽどその人のことを思ったときにしか薦めません。

最近人に勧めたものは、楽天の加藤珈琲店、PanasonicのデジカメLumix勝間和代さんの本、ぐらいでしょうか。

「沈黙のワナ」を仕掛けられたときには、注意深く回避しましょう

気をつけよう。

物事の推移を観察するクセをつける

データを見るときに心がけるべきこと。
犯罪発生率や、青少年の殺人事件数なんかがそうですね。
時間軸を無視した議論が多いです。

情報収集のワナ→情報収集の方が、情報の分析よりも楽しく感じられる

ああ、集めるのは楽しいですね。。
集めただけで終わることが多いです。反省。

覚悟さえあれば、誰でもリーダーになり得る

これはよくわからないけれど、覚悟完了ということだろうか。
誰もリーダーシップを取らない会議とか事業部とか、さんざん見てきましたけれど。。
覚悟のあるリーダーを見たことがないような気がします。

ああ、父は覚悟してそう。

戦略の立案を密室で行うことは、犯してはならない「現在社会のタブー」

タブーのわりに、密室で行われることが一般的ですよね。
確かに、いきなり上層部からどーんとわけのわかんない商品企画やらプロジェクトなんかが落ちてくることが多くて、現場は「こんなのうれるわけないじゃん」と仕事をしている、そういう状況が多い。

ボトムアップトップダウンのバランスが悪いのかもしれませんが、ボトム側というか現場のスタッフが、トップダウンで落ちてくる戦略について文句を言う割に自分ではどうすべきか、という考えがないのも問題かもしれません。

自社にとって最高の営業マンとは、「満足した顧客」

インターネットがこれだけ広まると、これはその通りで強く共感します。
飲食店なんかだとその効果が如実で、インターネット上での評判は非常に大切ですよね。

飲食店は、tabelogを初めとするユーザの評価がきちんと集まる仕組み作りが整いましたが、病院や美容室はそういう情報が集まるサイトがまだないので、きちんとフィードバックがされていないように思います。

病院と美容室の分野の口コミサイトは狙い目なのかもしれません。

「ブレイクスルー」とは、それまではトレードオフだと思われていたことを、これまでになかったあたらしいアイデア一発で解消してしまう行為

覚えておきます。

戦略プランの中に、「共通するアクション」を見いだして、それを他のアクションよりも優先させる

私のキャリアで言えば、英語と、法律と会計でしょうか。
この二つはどの分野に今後キャリアの専門性を絞るにしても広げるにしても、絶対に損しない手堅い分野ですね。

ストラテジック・プリンシプル

自分を縛るものとしての戦略のキャッチコピー。
もうパワーポイント10枚以上あって「何だっけ?」という状態のものがおおいのでこれは大切ですね。

CSI Communication Style Inventory

これはやられました。どのタイプも演技できるつもりでいますが、本質的にはアナライザーです。
今のチームの状況とも面白いほど当てはまっていてニヤリとしました。

ぱっと見たときに人を4つに分類するなんて、星占いじゃあるまいし、、と思ったらちゃんと先回りして書いてあったので「やられた!」とニヤリ。

上司には簡素に報告だけをする

責任に敢えてグレーゾーンを作っておくことで、上司が口を挟みやすくする。
報告は大切だと。

プロジェクトに女性が数名はいるだけで、全体の空気がやわらかくなり、ぶつかり合いがあっても、その修復がうまくいく

これは実感することが多々あります。
先のCSIで衝突する二人がいても、女性がチームにいるだけで明るく楽しく仕事ができる気がします。
たとえ能力的に劣っても、女性を入れたチーム編成がプロジェクトでは大切だと思っています。

この女性をチームにうまく組み込むというのは、児玉充晴氏(MOT (Management of Technology) intensive course of the Department of Social Informatics)も著書の中やセミナーで再三言っていますが、あまり女性が活用されているチーム、プロジェクトと言うのはまだ少ないのが実感で、とても残念。